■映画「トロイ」考察■ストーリー考察4■

■映画「トロイ」考察■

映画「トロイ」ストーリー考察

アポロの神殿

ここでアキレスとヘクトルの初お目見え。
ここでアキレスが放つ言葉が「トロイのヘクトルだな」「俺の名前をしっているか?」。アキレスの「名前を残す」ことのこだわりを感じます。『俺はお前の名前を知っているぞ、お前は知っているか?』と言いたいのですね。ここでヘクトルは答えません(どうも知らなかったみたいです)アキレスのプライドは痛く傷ついたらしく(苦笑)その後名前でなく「王子」と呼んでいます。

神殿を出た後の会話もアキレスの性格が出てます。
「観客のいないところで殺しても意味がない」
「まるで戦が遊びだな」「一体どれ程の妻が帰らぬ夫を待っていると思うのだ」
字幕「だったら弟に慰めさせろ 人妻を寝るのは得意だろ」
吹替「人妻にもてるタイプなんだろ」

うわーーーアキレス強烈な嫌味…。反論できないヘクトル…(逆上しないだけ理性がある)。
まるで犬でも追い払うかのような舌を鳴らすのも嫌味臭いなあ。
ヘクトルが去った後「殺さないのですか?」というエウドロスに
字幕「相手は王子だぞ」
吹替「朝から王子様が殺せるか」
「様」つけることで嫌味っぽさ倍増。しかも「朝から」って…。 夜ならいいんか。ではなく、もっと戦いが佳境に入ってからでないと名前を残せない、という意図の表れだとおもいます。

プリセイス

トロイ王族のプリセイス。本編では「プリセウス」なんですが吹替えでは「ブリセイス」と言っていますし、師匠曰くブリセウスは男性名なので翻訳ミスなのでは…ということなのでここではプリセイスで統一します。

「怖がらなくてもいい」「何を?」アキレス相手にプリセイス負けねえーー(笑)
きっとこんなに気の強い女に有ったのはアキレスにとって(王族の女として以外は)初めてなんでしょうね。
むかついたアキレスが水をプリセイスに弾くのが何だか子供っぽくて笑えました。
しかし、このシーンのブラピの脱ぎっぷりには驚きましたね。この演出アキレスなら女の前でも頓着しないで脱ぐだろうというブラピ自身の解釈らしいですよ。
プリセイスの髪をくんくんするアキレス。王族の使う香油ってそんなにいい匂いなのかしら?後半でもやっぱりくんくんするし。
アキレスがアガメムノン王に謁見するシーン。
諸国の王がアガメムノンにへつらう様が、実に皮肉っぽく描かれていますね。薄笑いを浮かべながらそれを眺めるオデッセウスが、アキレスが来たことに気が付くと「こいつらのやっていることお前からみたら馬鹿みたいだろう?」とでも言いたげな笑いを向けるのが印象的。

トロイの評議会

プリアモスを挟んで兄弟王子の物事の考え方の違いを駄目押し的に描いています。
ヘクトルは「神殿を破壊した男(アキレス)を神は罰しなかった」といい神が加勢してくれないと主張しています。

対してパリスは矢張り個人的レベルで何とかできる問題だと思っているようです。 メネラオスと対決してどちらかが勝てば解決する問題ではもはやないと言うのに。 結局、この考え方がトロイをより悲劇的な運命に向かわせる訳ですが…。

 
考察一覧