■「今時の子が今時じゃないことにのめりこむ」という趣向は同じながら、私はこっちの方が楽しかったです。だって、スィングガールズ(とボーイ)達の「ジャズって楽しい」という気持ちは終始一貫していたから。
最初は補習したくないなんて不純な動機でいやいや始めていても、音が出るようになると楽しくなりますよね?で、丁度楽しくなった時に【食中毒で入院していたブラスバンド部が戻ってきて】「おあずけ」を食らってしまう。(因みに私はこの「おあずけ」を食らう『イベント』がオチだと思っていて、こんなに展開を飛ばしていてあと1.5時間持つのか?と心配していたのも嬉しい誤算でした。)
そりゃフラストレーション溜まるって。自発的に「ジャズやりたい!」という気持ちにもなるよ。だから、皆に下手くそそばわりされて凹んでも本気で「つまらない、くだらない」なんていわない。
■個人的に主役の女の子が「非常に飽き易い性格」の為に「置物となったマック」があるのだけど【それを叩き売って中古のサックスを手に入れる】ところ(これ位のアイテムの使いまわしすら出来ない脚本家がどれだけいることか…。)とかネックホルダーが【ずっとカーテンホルダー】なところが非常によかった。
流石に【途中で投げ出した派手グループが戻ってきたらいっぱしに吹ける】ところ(本当はこういうの一寸いやん…)とか、そんなに楽しみにしている【音楽会の応募忘れる?】とか一寸「え?」と思うところはありましたが、それを差し引いても満足の出来ました。
■時間が二時間弱と短いこともありますが、脚本の進行もテンポ良く、中弛みも殆どない。
役者もツボを心得た適役。竹中さんは相変わらずキャラ濃くていいわ〜。超望遠でも走り方でこの人だってすぐわかるよ。あと田中要次をこんなチョイ役でつかうなんてもったいない。
映画館で見て本当に良かったです。何故ってこの作品のテーマがジャズ=音楽だから。閉鎖された空間一杯に広がる音楽。これはテレビで見てもきっとそんなに楽しくない。本当に音楽会場に来た様に、スィング(笑)できます。公式サイトでは作中で使用した曲がタイトルと共に視聴できます。観にいって「この曲欲しい!」と思ったら要チェックですよ。