スウィングガールズ(すうぃんぐがーるず)

キャッチコピー:
ジャズやるべ!

ストーリー

舞台は東北の片田舎の高校。夏休み返上で補習を受けている女子生徒たちが、サボりの口実としてビックバンドを始める。当然のごとくやる気はゼロでサボる気満々。しかし、楽器からすこしずつ音がでてくるにつれジャズの魅力にひきこまれ、ついには自分達だけでバンド結成を決意!とはいえ楽器はないし、お金もない。バイトをすれば大失敗。なんとか楽器を手に入れて、いざ練習!と思いきや、今度は練習場所もなく、ついにはバンド解散の危機!?しかし、音楽への熱い思いがはちゃめちゃパワーとあいまって、紆余曲折を吹き飛ばし、感動のラストまで一直線!!

レビュー

お薦め度:★★★★
とても楽しく観ることが出来ました。途中で全く雑念が入る余地がないくらい。
■前作「ウォーターボーイズ」はtvで観ましたが「映画館で見れば良かった!」と後悔する程には熱狂できませんでした。何故なら「男がシンクロなんて!」という世間の偏見をはねのけるというテーマの他に「女の子にもてたい」「馬鹿にした奴をみかえしたい」「注目されて人気者になりたい」という気持ちが先にたっていて、「こういうのって(この場合シンクロ)って楽しいよね?」という私が求める本質から外れていたから。ですからこの作品はノーマークでした。

■「今時の子が今時じゃないことにのめりこむ」という趣向は同じながら、私はこっちの方が楽しかったです。だって、スィングガールズ(とボーイ)達の「ジャズって楽しい」という気持ちは終始一貫していたから。
最初は補習したくないなんて不純な動機でいやいや始めていても、音が出るようになると楽しくなりますよね?で、丁度楽しくなった時に【食中毒で入院していたブラスバンド部が戻ってきて】「おあずけ」を食らってしまう。(因みに私はこの「おあずけ」を食らう『イベント』がオチだと思っていて、こんなに展開を飛ばしていてあと1.5時間持つのか?と心配していたのも嬉しい誤算でした。)
そりゃフラストレーション溜まるって。自発的に「ジャズやりたい!」という気持ちにもなるよ。だから、皆に下手くそそばわりされて凹んでも本気で「つまらない、くだらない」なんていわない。

■個人的に主役の女の子が「非常に飽き易い性格」の為に「置物となったマック」があるのだけど【それを叩き売って中古のサックスを手に入れる】ところ(これ位のアイテムの使いまわしすら出来ない脚本家がどれだけいることか…。)とかネックホルダーが【ずっとカーテンホルダー】なところが非常によかった。
流石に【途中で投げ出した派手グループが戻ってきたらいっぱしに吹ける】ところ(本当はこういうの一寸いやん…)とか、そんなに楽しみにしている【音楽会の応募忘れる?】とか一寸「え?」と思うところはありましたが、それを差し引いても満足の出来ました。

■時間が二時間弱と短いこともありますが、脚本の進行もテンポ良く、中弛みも殆どない。 役者もツボを心得た適役。竹中さんは相変わらずキャラ濃くていいわ〜。超望遠でも走り方でこの人だってすぐわかるよ。あと田中要次をこんなチョイ役でつかうなんてもったいない。
映画館で見て本当に良かったです。何故ってこの作品のテーマがジャズ=音楽だから。閉鎖された空間一杯に広がる音楽。これはテレビで見てもきっとそんなに楽しくない。本当に音楽会場に来た様に、スィング(笑)できます。公式サイトでは作中で使用した曲がタイトルと共に視聴できます。観にいって「この曲欲しい!」と思ったら要チェックですよ。

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