児童文学の壁につきあたってますね。野球で投手投げました、バッター撃ちました、大きいぞこれは場外ホームランの当たりか!と思ったらドーム球場なので屋根にボコンと当たりました。って感じ。
「今回はよりダーク」と言われた日には「ダークですって!?私の望むところだわ」と期待したのですが、これが期待を裏切らないいいダーク感。
同じシリーズの原作でも、監督が違うとこんなにも違うのかと正直驚きました。
子供ゆえにどんどん成長してしまうメインキャスト達ですが(正直ハリポタこそ指輪物語の様に複数本まとめ撮りしたほうがいいんじゃないだろうか)作品としてのイメージが変わったこともあって特に違和感もありません。ロン役のルパート・グリント君演技結構上手くなりましたね。ちょっとびっくりしました。
〔関係ないんだけど、某知人はロンという名前が出てこないときに「茶色い子」とのたまった。でもそれですぐに分かってしまうあたりが笑える〕
バックビークことヒッポグリフ(グリフォンと馬の混血)が結構いい感じで嬉しかったです。クリーチャーがちゃんと生きて動いてる…感動。これこそファンタジー映画の醍醐味。正直言って「賢者の石」のケンタウロスはしょぼくて萎えたので。
脚本もなかなかテンポよく進むし、次はどうなるの?と思わせてドキドキするところもある。が、しかし。盛り上げるだけ盛り上がるんだけど、【ブラック・シリウスとルーピン先生が再開するシーンあたり】からこれ以上はダメです!と上からの命令が(笑)
これ以上びっくりさせると子供泣いちゃうからダメです!
これ以上血を出すと子供泣いちゃうからダメです!
これ以上ゲイリー怪演しちゃう(笑)と子供泣いちゃうからダメです!
みたいな。ここまでダークにやったなら格闘シーンとかもっとヘヴィにやりたいと思うんだけど何だか微妙な距離で望遠。バックビークも鳥を捕食するけれど微妙に望遠。
「これが子供向け児童文学が原作の映画の限界です!r12に出来ません。勘弁して!」という監督の悲鳴が聞こえそう。もっとやれそうな気配を感じるし意気込みも感じるんだけど、これ以上はどうしようもないのね…。
期待のゲイリーの演技も78点です。(及第点わずか及ばず)もっとイカレにしたいけれど、子供泣いちゃうからここまでなのね…これじゃあ貴方もストレス貯まるわねえ。いっそ最初から普通に演技してもらったらストレス貯まらないのに。最初がすごく飛ばしてるのに、実際に登場してすぐトーンダウンしちゃうから。こっちも泣きたいよ。ゲイリーファンとしては本当にもう微妙。 〔余談ながら、ゲイリー本人の目指す演技って一体何なのでしょう?私としては「レオン」や「フィフスエレメント」「ハンニバル」の演技が好きなんですが、どうも本人は余り気に入っていないご様子…。〕
ストーリー展開も特に破綻もなかったと思います。
中盤までに色々な疑問符を投げかけておいて、中盤から一気に解決編に持ち込むのが良かったし、最初に「何故?」と思ったことも、途中でなるほどね、ってちゃんとわかるように出来てるし。だた【最後の守護精霊を呼び出すシーンで鹿の形のオーラになっていた】のは理由が分からなかったなあ…私はてっきりピッツバーグに乗っているからなのかと思ったんだけど違っていましたね。
今までのシリーズの中では一番映画として楽しめましたし「原作読んでみたいな」と思った作品です。