■ヒトラー 最期の12日間彼の敵は世界
日本公開日:2005/07/09
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映画「ヒトラー 最期の12日間」感想 レビュー
コメント(予告編)/.★★★★.
何だか見ていて無性に悲しい気持ちになりました。 何度も何度もしつこく書いていますが、私はキャラクターを主に服装で判断しているので軍隊物は誰が誰やらわからなくなるのでそれでエネルギーを費やしてしまいます。 人間としてヒトラーを捉えた作品というよりも群像劇の要素が強い作品でした。ヒトラーが自殺した後もかなりの間作品は続きます。徐々に敗戦の色が濃くなるドイツの模様がとてもよく書けていると感じました。 一部の人が仰るように「ヒトラーを美化している」とも思いませんでした。 この作品は基本的にエヴァという若い秘書の視点から降伏にいたる日々を描いています。今まで私はドイツという国は「あのユダヤ人迫害をしたヒトラーの国」という印象が非常に強かったのですが、この作品を観て「ああこの国は敗戦国なんだ」と痛切に感じました。負ける国の政治中枢部はこんなものなんだと本当に哀しかった。 実際に軍を動かす男性も無謀であるならその周囲を取りまく女性達も同様で、余りにも実情を見ようとしない騒乱なダンスパーティのシーンなどはエヴァに限らず私まで本当に気分が悪くなる思いでした。 加えてももう一つ、市民に同情しないのかという口論に「同情しない!」と断言した軍人たちの理屈に私は打ちのめされました。詳しくは知りませんでしたがナチス当時正当に投票で支持された政党だったそうです。 私はこの作品を作ることの出来るドイツ国に感服します。そして逆に日本人ってなんて情けないんだろうと思った。 日本は敗戦国で被害者という意識が非常に強い。原爆という非常に大きなダメージを受けた唯一の国ですから、仕方がないのですが。でも私達はヒロシマという言葉を余りに美化しすぎてはいやしないだろうか?でも日本だって敵国にどれだけ残虐非道なことをしたか知れやしないのに。 ドイツはそのユダヤ人虐殺という事実のために敗戦国ということは全く見てもらえなかったように思う。彼ら市民だって塵芥の様に死んでいったというのに。それを思うと私は本当に身につまされる。 最後に老いたエヴァの「若さは無知の言い訳にはならない」という言葉で締めくくられます。 無知であることは罪か否か。私にはその判断は付きかねます。知らない時は「知らないこと、そのことにに気が付かない」のですから。 映画「ヒトラー 最期の12日間」鑑賞分類従来の悪鬼のようではなく人間としてヒトラーを捉えた作品だそうです。彼もある一面から見ると人間らしい温かみのある人物だという人もおり、またその人心掌握能力は(良くも悪くも)高く評価されています。彼の内面が伺い知れるような作品だといいなと思っています。 映画「ヒトラー 最期の12日間」ストーリー
ヒトラー最後の秘書が半世紀を超え封印を解いた戦後最大のタブー。誰も描けなかった驚愕の真実に世界が揺れた。2005年最大の問題作、遂に日本上陸。あなたもその目撃者となる!
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