映画「シルミド」感想 レビューと情報

きっと、言いたいことが沢山あっていっぱい詰め込んだんでしょうね。
部隊内のぶつかり合いながらもまとまっていく人間関係、上官と部隊個人との心の交流、使命にたいするエネルギーとフラストレーション、生きるために心が通った者でも殺す極限の状態、人を人とも思わない上層部、人間として認めてもらいたい願望。
それぞれはとても納得が出来る演出になっていて集中してみることが出来たのですが、それぞれがパーツとしてまとまりすぎていて、全体的に観ると散漫な印象を受けました。多分強姦シーンはカットされているだろうし、【部隊抹殺計画を聞かせて反逆させるようにしむける】ところは明らかに場面が飛んでいるのでカットされていると思う。

それでも最後に【この事件に関しての顛末を書類にまとめ、大統領に提出されるも彼は特に気を払ってみることもなく、書庫に押し込まれ、そして朽ちていく描写】は、３１名の人生を軽視したことを強烈に批判したいい演出だと思いました。

原作/ノベライズ
シルミド SILMIDO
白 東虎 鄭 銀淑 幻冬舎
シルミド
キム ヒジェ 伊藤 正治 角川書店
シルミド―「実尾島(シルミド)事件」の真実
城内 康伸 宝島社
シルミド・裏切りの実尾島・
イ・スグァン 米津 篤八 早川書房
実尾島（シルミド） −生存者キム・バンイル元小隊長の証言−
ファン・サンギュ ソフトバンククリエイティブ