映画「キッチン・ストーリー」感想 レビューと情報

コメント（予告編）/.★★★☆.
可愛いノルウェーの田舎で巻き起こるおじいちゃんのお話。

今ならビデオカメラを設置すればいいだけのお話なのですが、それを人間の調査員をわざわざ派遣する。こういったレトロで非効率な発想って大好き。
独身男性（一人暮らし）の生活に一人の人間が介入するのですから交流するなと言う方がどだい無理な話。最初は何ともお互い気まずい雰囲気だったのが、ゆで卵事件（笑）から何となく和やかな雰囲気になっていく二人。最終的には仕事そっちのけで田舎の二人生活が展開していきます。

ほのぼのとした雰囲気で物語は進展していきます…が、楽しい素朴な田舎暮らし何もかもが素晴らしい、とは決して行かないわけで。その辺は非常にシビアなところが流石は製作国北欧。
この調査を引き受けた理由も結構打ちのめされました。勘違いとは言え【馬がもらえるから】とは…切実なんですね。加えて田舎だからか、独身男性だからなのか、それともこの主人公が寡黙な性格だからなのか、周囲との交流が殆ど無いところも余りにも上手く描かれていてというよりも「それが当たり前」という空気がひしひしと感じられます。そんな環境ですから、交流が濃密すぎて「この人と仲がいいのは自分だけ」という気持ちが出来てしまって、他の人と仲良くやっているとやきもち焼いてしまうとことが、広く浅い今の人間関係とは違う問題を抱えているなあと思いました。

ほのぼので可愛いけれど何となくほろ苦い気持ちにもさせられる、そんな不思議な映画です。

…予告編だけ観てここまで心引かれるなんて！本編見ない内からこんなに期待してはいけないと心のどこかで警鐘が鳴っているのですが、なんてキュートな作品なんだ。
しかも日本公式サイトがすっごく可愛いんだもん（今は存在しません）。もうすっかりメロメロです。
でもこれ東京のル・シネマでしか上映予定が無い…どうしよう…新幹線代使っても行こうかどうか…

1950年初頭の北欧。スウェーデンの「家庭研究所」から一人の研究員がノルウェーの片田舎の一人暮らしの老人のともにやって来る。
目的は『独身男性の台所のでの行動パターン』。調査される男と調査員の間には「お互い会話してはならない」「いかなる交流も持ってはならない」というルールが決められていたが、この奇妙な調査生活が続くうちに男の生活に次第に変化が現れてくる…

原作/ノベライズ
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