■善き人のためのソナタこの曲を本気で聴いた者は、悪人になれない
日本公開日:2007/02/10
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映画「善き人のためのソナタ」感想 レビュー
コメント(予告編)/.★★★☆.
なかなかよい作品でした。 東西ドイツ時代なんて比較的最近のお話のような気がしてならないのですが(年齢がばれそうだ)、こうして見るとずいぶん年月が経過したものだと思います。 タイトル「善き人のためのソナタ」からちょっと誤解しておりまして、別に盗聴している統制側の人間が、対象者が愛好するの「ソナタ」を聞いたことによって、管理社会から開放されたとか、音楽が自由な思想を象徴するものだったとか、そういった話ではありませんでした。 こうした(昔の)監視社会の裏事情を見ると国民の思想の一元化を目指すなどバカっぽいことをやってるなあと思えてなりません。が、思想の多様化とその延長にある反国家的思想はクーデターの第一歩として、国家転覆を恐れるとこうなってしまいがちなのでしょう。 全てがくすんだような色に覆われたヴィースラーの職場に比べて盗聴先ドライマンの自宅はさりげなくお洒落で美しく魅力に満ち溢れているように感じます。 ただ中盤ちょっと中だるみだったような…。記憶が薄いところがちょこちょこ。仕事直後に駆け込み状態へとへとで観始めたからかもしれませんが(苦笑) 最後は盛り上げすぎないところが好感触でした。 しかし国家主体の犯罪行為って本当に怖いですね…アメリカCIAなんて公然の秘密だし。 映画「善き人のためのソナタ」鑑賞分類ちょっと古い漫画を読んでいるといたって普通に東ドイツの軍事問題とか書いてあったりして、ドイツ統一って随分昔のようでもあり、つい最近のようでもあり。そういえば東ドイツって北朝鮮と割りと親密な関係にあったんですよね、確か。 人間の根本としての感情、喜怒哀楽、美しいものを美しいと感じる気持ちは世界共通でそういったものでつながっていければいいのにねぇ…。 映画「善き人のためのソナタ」ストーリー
1984年、壁崩壊前の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)の局員ヴィースラー大尉は国家に忠誠を誓う真面目で優秀な男。ある日彼は、反体制的疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視し、反体制の証拠を掴むよう命じられる。さっそくドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。しかし、音楽や文学を語り合い、深く愛し合う彼らの世界にヴィースラーは知らず知らずのうちに共鳴していくのだった。そして、ドライマンがピアノで弾いた“善き人のためのソナタ”という曲を耳にした時、ヴィースラーの心は激しく揺さぶられてしまうのだったが…。
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